建築と設備・34
阿品土谷病院
奥村 昭雄
1
Akio OKUMURA
1
1木曽三岳奥村設計所
pp.159-164
発行日 1989年2月1日
Published Date 1989/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209496
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■土谷総合病院と阿品土谷病院
阿品土谷病院の敷地は,島々の浮かぶ穏やかな瀬戸内海に面した台地の上にある.中でも宮島は間近に広がり,厳島神社の鳥居も遠望(後出スケッチ).
広島市の南西部——廿日市町,大野町等の地域は,近年ベッドタウン化が進み,人口急増が続き,地域医療サービスが追い付いていない状態にあった.広島市内に土谷総合病院を持つ医療法人あかね会は,この阿品台の敷地に219床の地域病院を計画した.独立した地域病院であると同時に,車で20分の距離にある二つの病院は,いろいろな意味で相互に補完しあうように計画されている.すなわち,ケア度の低くなった総合病院の術後患者は,より環境のよい阿品でリハビリテーションを行う.早くから業務のコンピューター化を進めてきた総合病院のコンピューターを,阿品はホストとして利用する.洗濯・焼却等は阿品が分担する.将来は,市街地に増設することの困難な高度医療部門は阿品が受け持つ,等である.また,消毒・滅菌は,法人系列会社の(株)日本メディカルサプライが千代田(広島県北部)に新設した滅菌センターを利用する.
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