医療従事者のための患者学
"病気"を意識する(その1)
木村 登紀子
1
Tokiko KIMURA
1
1聖路加看護大学・心理学
pp.976-979
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209418
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過去5回にわたり,"患者学"の課題と方法を模索し,患者の"こころ"を理解するための視点を定めるべく,西洋および東洋の哲学,そして心理学における"人間理解"に言及してきた.その意味では,日々患者の対応に追われる読者の方々にとって,これまでの内容は無柳の感を免れ得なかったかも知れない.
しかしながら,すでに何度も述べてきたように,"患者学"はまだ確立された学問領域ではなく,今後に向けてのひとつの試みとも言うべきものである.それゆえに,筆者自身がみずからの視点を定め,"患者学"へアプローチする"とば口"を見つけることが必要であった,これまでの記述も文献渉猟も,いわばその足場を固めるための努力であった.その点はご理解いただきたい.
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