特集 地域医療計画と病院
座談会
地域医療計画と今後の医療
伊賀 六一
1
,
池亀 信
2
,
大塚 知雄
3,4
,
岩﨑 榮
5
Rokuichi IGA
1
,
Shin IKEGAME
2
,
Tomoo OHTSUKA
3,4
,
Sakai IWASAKI
5
1済生会中央病院
2我孫子つくし野病院
3神奈川県医師会
4大塚医院
5厚生省病院管理研究所医療管理部
pp.326-332
発行日 1988年4月1日
Published Date 1988/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209274
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岩﨑 地域医療計画は,地域のニーズに対応した包括的な保健医療を提供するため適正な保健医療資源を配置し,供給体制のシステム化を図るために作られたとされているわけですが,実際的には病床規制と言いましょうか,医療を提供する場である医療圏という中に,必要にして適正な病床数をある計算式で算定して,それ以上の病床を認めないという内容があり,その側面が強調されているわけです.私どもとしてはそういう必要的記載事項よりも,任意的記載事項が,ソフト面で大変重要だと思っております.しかし現場の先生方は,この必要的記載事項の中で算定された病床数に対して非常に過敏になっておられる.そういうこともあってこの1〜2年,各地域で駆け込みといわれる現象が見られて,それがために異常な病床の増加が全国的に見られます.
そういうことからすれば,この地域医療計画は裏目に出てきたと言う評論家もいるわけです.しかしながら,目標はやはり保健医療資源を適正に配置して,効率的な医療をやっていく.そして,いつでも,どこでも,だれでもが公平,公正に受けられるような,非常にアクセシビリティの高い医療を提供していくことだったはずです。
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