特集 今,医療計画は—見直しをどうする
[座談会]医療計画策定の趣旨は生かされているか
大道 久
1
,
小林 秀資
2
,
時崎 謙
3
,
岩﨑 榮
4
Hisashi OHMICHI
1
,
Hidesuke KOBAYASHI
2
,
Ken TOKIZAKI
3
,
Sakai IWASAKI
4
1日本大学医学部医療管理学
2厚生省健康政策局計画課
3医療法人社団全人会多摩川総合病院
4日本医科大学医療管理学
pp.1240-1248
発行日 1990年12月1日
Published Date 1990/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900809
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医療計画は医療法改正当初のねらいどおりになったか
岩崎 医療計画が医療法の中に組み込まれて5年を経過しようとしています.医療計画のなかでも特に病床計画が最も重要な要素の1つであることには間違いがないかと思います.無秩序な病床の増加を抑制して,医療資源を効率的に活用し,地域の体系的な医療供給体制を確立するために必要的記載事項として二次医療圏を定めてそこのなかに病床数の上限を設けるという大変抑制的な部分があることは間違いないわけです.
それに対して任意的記載事項が設けられていて,これはどちらかというと促進的な因子ではないかと思われます.計画としてより多くの努力が必要とされるのがこれであり,医療従事者側の努力に左右される部分が残されています.それで,医療従事者サイドにとって,任意的記載事項こそは本当の意味での医療計画ではないかと言えるでしょう.
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