特集 地域医療計画と病院
地域医療計画をどうみるか
大田 浩右
1
,
岩本 光存欣
2
,
安東 三郎
3,4
,
黒岩 卓夫
5
,
竹内 三郎
6
Kousuke OTA
1
,
Mitsuaki IWAMOTO
2
,
Saburo ANDO
3,4
,
Takuo KUROIWA
5
,
Saburo TAKEUCHI
6
1医療法人大田記念病院
2医療法人延山会北成病院
3兵庫県医師会
4兵庫県医療審議会
5ゆきぐに大和総合病院
6竹内病院
pp.320-325
発行日 1988年4月1日
Published Date 1988/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209272
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広島,岡山両県の病床充足率の差に驚く
◆実感とかけ離れた算定病床数
広島県の地域医療計画1)で,昨年7月20日に公示された既存の病床数は27,850床,算定された必要病床数は29,326床で充足率は95%,すなわち1,476床が増床可能分であったが,増床申請によって,このベッドは,あっという間になくなってしまった.ところが,公示直前になって,3,085床の原爆特別加算が行われ,必要病床数は32,411床となり,充足率は95%から85.9%と,一挙にベッド不足地域となった.
一方,隣接の岡山県は,既存病床数23,498床,地域医療計画により算定された必要病床数は21,148床で,端から充足率111.1%のベッド過剰地域となった.私の住んでいる福山市は広島県東部で,岡山県に隣接しており,両県の医療状況が分かりやすい立地にある.岡山県は11.1%の過剰,広島県は14.1%の不足と,両県の間には25.2%という大きな数値的開きが出ているが,私の感覚では,両県の病床事情はほぼ同等で,どちらも十分に充足しているとの印象をもっていた.特に両県は病床数にカウントされていない有床診療所が多くあり,この発表された数値に大層驚いている.
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