医療・病院管理用語ミニ辞典
—病院管理—医療評価/—検査—ヒス束心電図
小野 丞二
1
Joji ONO
1
1東邦大学医学部・病院管理学
pp.248
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209258
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医療評価(medical audit)とは,病院医療を総合的に評価する方法であり,病院自体あるいは外部の評価者が,病院で行われた医療行為を所定の様式に従ってチェックして反省検討し,欠点を改善して明日の病院医療の質の向上をはかることである.この病院医療という言葉には,診療はもちろんのこと,看護,薬剤,検査,給食,建物設備,病院管理,医療社会事業,診療録管理,医師幹部組織(会議や委員会)などの病院全機能が含まれている.
世界で医療評価に最も努力してきたのはアメリカであり,1913年,MacEachernの提唱から現在まで,いろいろな活動がなされている.わが国では1963年,橋本寛敏先生が,①平均病床利用率,②平均在院日数,③剖検率,④死亡率等の評価を提唱したが,十分な取組みが遅れていた.しかし,1986年,厚生省と日本医師会が共同で「病院機能評価マニュアル」を作成し,この100項目で病院診断を行い,ようやくこれを公表する段階までになってきた.この評価の基本的視点として,①地域のニーズに応えているか,②患者を尊重しているか,③学術面の向上に努めているか,④合理的,効率的に運営しているか——の4点をあげている.このように,わが国も本格的な医療評価がなされる時代となり,医療評価方法も更に改善されていくものと期待されている.
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