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発作性頻拍症には種々の型が存在するが中でも二方向性頻拍症Bidirectional tachycardia(BT)は比較的稀なものであり,一般には危険な不整脈の一つと考えられている。BTとは広義には1,2)QRS波の主要なふれが一心拍毎に規則性を有して相対する方向へ変化する場合をいい,狭義には3,4)2種の電気軸を有するQRS波が交互に出現する場合をいう。本不整脈の出現機序については心電図学上興味ある所であり,種々の説2,3,4,5)が述べられていた。1969年RosenbaumのBTについてのReview6)が発表されてよりこれでBTの機序をほぼ説明できたかに見えた。即ち彼はBTのoriginとして⊥室のsingle focusを考え,これが右脚ブロック型の変行伝導を基本に,左脚前枝と後枝が交互にブロックをおこす事によりQRS波の平均電気軸が交互に変化するのであるとした。しかしこの説で全てのBTを説明できるものではなく,その後もBT発生に関していくつかの報告がなされている。
Some theories on the mechanism of the initiation of bidirectional tachycardia (BT) have been reported. In a 25-year old man with BT, we confirmed that the foci of this arrhythmia placed in the ventricle, precisely the right vent-ricle and the left ventricle, by recording the His bundle electrocardiograms during BT.
It was most likely that the mechanisms of BT in this patient might be due to double ven-tricular parasystole or double ventricular reentry.
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