建築と設備 第13回
高齢者養護施設3題
河口 豊
1
,
張 忠信
2
,
辻野 純徳
3
,
鈴木 捷司
4
Yutaka KAWAGUCHI
1
,
Chushin CHOU
2
,
Yoshinori TSUJINO
3
,
Shoji SUZUKI
4
1病院管理研究所
2信設計事務所
3浦辺設計(株)
4社会福祉法人聖隷福祉事業団企画開発部
pp.417-423
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209065
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高齢者養護施設の新たな展開
高齢化社会に伴い,高齢者に対する多様な形の医療供給形態が要請されている.それは,高齢者の疾病が高度先端医療を必要としたり,あるいは短期急性から生涯にわたり医療の支持がなければ生活できないような疾病まで,広範にわたるからである.
長期に医療を必要とする場合には,生活面を重視する必要がでてくる一方,高齢者を対象とした福祉,住居の分野では,医療がその比重を高めつつある.医療はこちらで,福祉はあちらでというように単純な機能分担のみではもはや成立しにくくなっている.医療に福祉が,福祉に医療が,また家庭には医療と福祉の双方が入り込んで高齢者社会が成り立つ.いわばグレーの時代といえる.無論,誤った処遇により手遅れとなることは許されず,施設間連携が基本にあることはいうまでもない.
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