増刊号 日本の病院建築
民間病院の建築
中小病院3題
長澤 泰
1
,
辻野 純徳
2
,
高橋 公雄
3
,
阿部 影
4
Yasushi NAGASAWA
1
,
Yoshinori TSUJINO
2
,
Kimio TAKAHASHI
3
,
Akira ABE
4
1東京大学工学部建築学科
2(株)浦辺設計
3株式会社公共施設研究所
4堀江・阿部総合計画事務所(現社名:A+A総合計画事務所)
pp.123-129
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901085
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魅力ある病院を目指して
病院の新築で話題になるのは大病院であることが多い.また,患者側にも大病院指向があることは否めない.しかし,1万を超える全国の病院の85%が300床未満の病院である.100床未満の病院だけでも46%を占めている.病床数で見ても163万床の56%が300床未満の病院のベッドである(1988年10月1日現在).したがって,これらの病院抜きでわが国の病院建築の全体水準を語ることはできない.
1987年の医療施設調査によると,これらの規模の一般病院の78%が民間病院(医療法人・会社・個人)である.現在の保健医療制度のなかで民間病院はとくに採算を確保することが絶対条件になる.勢い,建築・設備投資に対しても厳しい条件が設定される.結果として建物の床面積は最小限に抑えられ,「むだ」な部分は最大限に削りとられる.
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