患者からみた病院
病院生活断章
芦田 光世
Mitsuyo ASHIDA
pp.1062
発行日 1986年12月1日
Published Date 1986/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208971
- 有料閲覧
- 文献概要
夏も盛りに入ろうとする7月半ば頃,急激な臍下の痛みに伴って多量のタール便を排出しました.十二指腸潰瘍の再々発だと自分で分かりました.娘に伴われK病院で診察を受け,即日入院することになりました.めまいでボーとしている状態でしたが,早速に点滴,輸血などをしていただき,極度の貧血も入院4か月後すっかり回復したのでしょう,腹痛もなく,めまい,立ちくらみもなく,しっかりとしてきました.
『人生は,ひとりで歩く長い道』こんな言葉を想い浮かべながら,明るい部屋の白い天井を見上げながら,婦長さんはじめ,看護婦さん,補助看さん,同室の五人の患者さん方のお蔭さまと感謝しています.これまでの入院加療の経験は終戦後,昭和25年に遷延性心内膜炎で国立第一病院に約1年間入院して命拾いしたことです.それ以来,友人,知巳の見舞いに彼方,此方の病院に行ったことはありますが,自分で体験したことはなかったため,今度入院してみて,勝手が分からずいろいろな点で戸惑いました.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.