特集 病院外来の新しい展開
病院外来の新しい考え方
一条 勝夫
1
,
黒田 幸男
2
,
小笠原 道夫
3
,
牧 安孝
4,5,6
Katsuo ICHIJO
1
,
Yukio KURODA
2
,
Michio OGASAWARA
3
,
Yasutaka MAKI
4,5,6
1自治医科大学病院管理学
2虎の門病院
3河北総合病院
4牧病院
5大阪市旭区医師会
6大阪府病院協会
pp.901-915
発行日 1986年11月1日
Published Date 1986/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208934
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経営的視点からみた病院外来のあり方
外来収益に及ぼす病院機能の影響
入院医療の窓口としての外来
病院の沿革から言うと,欧米の病院は身寄りのない病人のために宗教・慈善団体が建てた生活看護施設から始まっており,したがって入院医療を中心として発展してきた.
ところが,わが国にはそうした病院施設がなかったため,医師が建てた診療所の付属施設として発生した.つまり,日常行う外来診療の都合から,手許において経過をみる必要がある患者の臨時の収容施設として設けられ,患者が多くなるにつれ病室から病棟へ,そして病院へと発展してきた.このためわが国では,入院医療は外来診療の延長としてとらえられてきた.したがって,病院の外来診療も診療所のそれも等質であり,その結果,対立競合を招き,しばしば紛争の種となった.
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