特集 病院外来の新しい展開
機能面から見た病院外来の位置づけ
岩﨑 榮
1
,
古川 俊之
2
,
辻野 純徳
3
Sakai IWASAKI
1
,
Toshiyuki FURUKAWA
2
,
Yoshinori TSUJINO
3
1病院管理研究所医療管理部
2東京大学医学部医用電子研究施設
3浦辺建築事務所
pp.916-927
発行日 1986年11月1日
Published Date 1986/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208936
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病院機能の外来
病院における外来患者の適正数を考える
昨今の病院が抱える問題は余りにも多く,問題解決の糸口さえ見出せないほどである.そして,問題が何なのか,ということさえ絞りこめないでいる.そのような意味合いでの問題が,実は"病院における外来機能とは"ということなのである.
わが国の病院における機能は,欧米における病院の本質的機能=入院機能という明確なものとは異なり,病院の発達史からいっても外来機能をも重んじてきた流れがあり,戦後の米国流の考え方が直ちには受け入れられず,入院機能と同時に外来機能にもまた重点を置くという,病院の持つ2大機能をそのまま保持した形で今日に至ったと言えよう.このことは,今日的課題である地域医療計画の実践においても最も重要と思われる病院と診療所との機能分化を妨げる最大の要因ともなっている.
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