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第35回日本病院学会,伊勢市で開催/"人生80年時代の地域医療の展開"をテーマに—第25回全国国保地域医療学会
編集室
pp.951,978
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208713
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第35回日本病院学会(会長遠山豪遠山病院院長)が去る9月19日から3日間,三重県・伊勢市観光文化会館を主会場に開催された.メインテーマは"医の原点に還って伊勢から病院に光を".
まず開会式に続く特別講演は澤瀉久敬氏(大阪大学名誉教授)による「人間と医療」.澤瀉氏は,我が国で初めて阪大で「医学概論」の講座を開設した方として知られており,その考えは現在の医学医療の基本を流れている.澤瀉氏は始めに「心をもったところに人間性がある.病気と共に心をもった病人をみることが大切」と語り,その後「医療は患者,医師,看護人から成り立っている,そのような集団医療である」「"初めに病院あり"ではない.まず家庭があるのだから,在宅ケア・訪問看護がもっと進められていいのではないか」「医療の本質は治療と共に予防すること,更に健康を増進すること,言い換えれば人間をより優れた存在にすること.人間をより優れた存在にするとは,歴史と社会に使命をもつ人間がそれぞれの使命を全うするための手助けをすることだ」等と,本質を見すえた格調高い講演を行われた.
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