特集 病院で死を迎える
座談会
病院で死を迎える子供たちへの対応
高橋 和子
,
西山 綾子
1
,
入来 典
2
,
徳永 すま子
3
,
山下 文雄
4
Kazuko TAKAHASHI
,
Ayako NISHIYAMA
1
,
Tsukasa IRIKI
2
,
Sumako TOKUNAGA
3
,
Fumio YAMASHITA
4
1久留米大学医学部附属病院小児病棟
2社会福祉法人重症心身障害児施設久山療育園診療部
3聖マリア病院小児ICU病棟
4久留米大学医学部小児学科
pp.468-477
発行日 1985年6月1日
Published Date 1985/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208597
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山下 最近"ヘルス・ケア"の質をよくすることが問題になっています.医療技術だとか設備といった問題に加えて,医療の場での医療従事者側の気配りや患者さんの心理面も含めて,援助の質を向上させようということです.いままでの医療ではそのような面が不十分で,患者さんが医療に対して満たされないものを持っていたことが理由のようです.
"ヘルス・ケア"の質の向上は患者さん自身の"生命の質(quality of life)"を上げることにもなります.医療者側も,ヘルス・ケアを通して心理的喜びを増し,自分自身の人間的成熟をはかることができます.医療者が"死"という人間の最も厳粛な場面に立ち合うことも人間を大きく深くすることです.これまでの医療は"生"のサポートが中心でした."死"のサポートは,最近社会的にも注目されるようになりましたが,議論は主として大人を対象にしています.しかし,子供の医療の現場でも死の問題には毎日直面しています.そこで,この座談会では子供の"死"の問題について,皆さんと一緒に考えてみたいと思います.
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