死への看護・10
子供の死と親の反応—奇形の乳児の死を通して
柏木 哲夫
1
1淀川キリスト教病院精神神経科
pp.1040-1044
発行日 1977年10月1日
Published Date 1977/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918240
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はじめに
これまではずっと大人の死を取り上げてきましたが,今回は子供の死について考えてみたいと思います.子供が年齢的に大きい場合は,子供が自分自身の死をどのようにとらえるかという問題と,親が子の死をどのようにとらえるかの2つの問題があり,事情がより複雑になるのですが,今回取り上げるのは生後間もない乳児なので,前者の問題は考慮しなくていいわけです.しかし,この事例では,子の死に加えて,奇形という問題がありましたので両親の担う荷は重かったといえます.
チームでの検討を通して,奇形の存在や予後について両親にどのように伝えるか,両親の希望を治療にどのように反映させるか,奇形児を持つ親の気持ち,奇形児に対する親の反応,などについて述べてみたいと思います.
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