特集 医療法と病院
広告制限と病院のあり方
紀伊國 献三
1
1厚生省病院管理研究所
pp.41-43
発行日 1977年1月1日
Published Date 1977/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206122
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広告制限思想の源
昭和23年に制定された医療法は,その69条第1項に以下のような医療機関の広告制限の規定を掲げている.すなわち,「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関しては,文書その他如何なる方法によるを問わず,何人も左に掲げる事項を除く外,これを広告してはならない.1.医師又は歯科医師である旨2.第70条第1項の規定による診療科名3.病院又は診療所の名称,電話番号及び所在の場所を表示する事項4.診療に従事する医師又は歯科医師の氏名5.診療日又は診療時間6.入院設備の有無7.その他都道府県知事の許可を受けた事項」となっている.これが有名な広告の制限に関する法律である.
この法律の目指すところについては,公衆は,医師,歯科医師がどこに存在し,どのような疾病の診療に従事しているかを知ることは便宜ではあるが,これを全く放任する時には虚偽誇大の広告に流れやすく,ために無知の患者を誘因することになって,公衆衛生上の害があるのみでなく,たとえ事実に合致する事項であっても,これを広告することで医師,歯科医師の品位を害するおそれのあるようなものであれば,これを広告させないことが望ましいと考えられているからである(医療法,医師法解による).
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