小特集 病院歯科の現状と課題
病院歯科の採算性
上林 三郎
1
Saburō KAMBAYASHI
1
1聖路加国際病院
pp.304-306
発行日 1983年4月1日
Published Date 1983/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207991
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当院の歯科運営の実際■
全国の病院の中でも歯科を持つ総合病院の数は少ない.また歯科を持っても歯科医の勤務医を常勤させることの難しさ等から閉鎖している病院もある.また病院の中の歯科の位置づけも難しく,内科,外科等と言った科と違って単独で業務を行い,他科との連携が少ないのが一般であるようで,病院診療活動の中では少しかけ離れた存在であるのが,一般の病院歯科のようである.
当院でも昨年までは歯科医師の確保に大変な苦労をした.麻酔医等と同様に歯科医の給料が飛び抜けて高給であるために病院の規定の体系の中ではどうしても考えられず,やむを得ずパートの医師で間に合わせざるを得なかった.このため外来患者の新患を制限せざるを得なかったり,休診日があったり,なかなか正常の診療体制が得られなかった.一時病院幹部の間でも場所をオープンにして,一般の歯科医に貸して家賃収入を得たら良いのではないかと言った議論まで出たことがある.
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