特集 分娩看護管理
分娩時の生理的変化と分娩介助
佐藤 郁夫
1
1自治医科大学産科婦人科教室
pp.986-995
発行日 1984年12月25日
Published Date 1984/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206556
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妊娠の成立から分娩までのおよそ280日における妊産婦の生理的変化は他に比較すべきものがないほど大きなものといえる。まず受胎に始まり,小さな生命は日一日と着実な成長をとげていくが,その成長を支えるものは胎盤であり,またその胎盤を栄養するものは子宮であり,母体そのものである。そして分娩予定日周辺期を迎えて陣痛が発来し,半日程度の経過をもって分娩は終了する。その分娩に際して,産婦が陣痛による疼痛時に弛緩するための呼吸法や分娩第II期の怒責の問題,分娩時における子宮の循環動態や産婦のとる体位と子宮血流との関係,さらには胎児仮死の際に母体へ投与する酸素の効果など,分娩をとりまく生理的な諸現象について,これから検討していくことにする。
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