事務長訪問
静岡済生会病院 小川哲司事務長
本誌編集室
pp.154
発行日 1982年2月1日
Published Date 1982/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207675
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昨年6月の医療費改定の影響を,直かに最も強く受けているのは,病院現場の事務長さんであろう.ちょうどお訪ねした日の朝刊に,1万円を超える医療費について,点数逓減方式を厚生省が検討していると報ぜられていたが,小川さんのお話の切れ目切れ目に,「医療はこれからどうなっていくんでしょうねー」と嘆息混じりに挾まれるのが印象的であった.
「病院がこうすれば儲かるとか,ああやれば損をするとかいうのは,本来の姿ではない.」更に,夢物語だが,と前置きして,「元来社会福祉的な色彩の濃い医療においては,公的病院はすべて国営とし,一定水準以上の成果を挙げた所には,人件費何%,器械何%と自由裁量の幅を設ける.良心的にやろうとするほど,医療費抑制とコストアップの狭間で余分な精力を費さざるを得ない状態を打開するには,一例としてこれくらい思い切った方策が必要ではないだろうか.」この部分はオフレコにするよう念を押されながらの会話の中に,むしろ病院を取り巻く状況の厳しさと,事務長としての小川さんの本音がうかがえるような気がして,敢えて記させていただいた.
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