特集 幹部間リレーションズ
幹部の資質・対応と労使関係
大久保 才一
1
1天王寺病院事務局
pp.748-751
発行日 1979年9月1日
Published Date 1979/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206959
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組織の中にあって,「幹部」と称される立場にあるものは,それぞれ自己の組織上の所(分)掌業務をまっとうするかたわら,自己の職務権限を通じて,他に対しても協調・協力の下,組織全体のレベルアップに寄与する義務と責任がある.このことは「労使関係」にかかわる問題について特に重要である.
ところで医療の場における労務管理は,10年立ち遅れていると,多くの人から指摘されて久しい.我々は残念ながら,これを否定する勇気がない.このことは根本的には医療の組織における幹部が,近代的経営管理において,労使関係の基本的認識に欠けるものがあるからだと断ずることはいい過ぎか.いわゆる憲法28条「勤労者は団結する云々」の法意から生まれた諸法令が定めた,団結権・交渉権,団体行動権(争議権)の労働三権をはじめとする,労働者の保護法律について,安直に過ぎる考え方があるように思えてならないのである.
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