特集 病院の特殊性と労基法
労基法に関する労使の争点
林 秀雄
1
1全国自治体病院協議会
pp.32-36
発行日 1973年4月1日
Published Date 1973/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204959
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●労働基準法成立と性格
1964年3月6日,衆議院に対し政府が労働基準法の提案を行なった.その提案理由は,‘1919年以来の国際労働総会で最低基準として採択され,今日ひろくわが国においても理解されている8時間労働制,週休制,年次有給休暇など基本的な制度を一応の基準として,この法律の最低条件を定めたものである’と述べている.また労働基準法第1条に示されている労働条件の原則では‘労働条件は,労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない’,と述べている.
この人たるに値する生活に対する解釈は次のように行なわれている.その趣旨は‘本条は,労働者に人格として価値ある生活を営む必要を充たすべき労働条件を保障することを宣明したものであって,本法条の解釈にあたり基本観念として常に考慮されなければならない.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.