特別記事 新世紀の看護にふさわしい臨地実習教育へ―第23回国立医療技術短期大学部看護学科協議会総会シンポジウムより
提言
東 サトエ
1
1鹿児島大学医療技術短期大学部
pp.762-763
発行日 1997年10月25日
Published Date 1997/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901693
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本シンポジウムは,1997(平成9)年6月6日,岐阜市で開催された第23回国立医療技術短期大学部看護学科協議会総会のプログラムの1つとして行われたものです.本協議会の臨地実習委員会は,臨地実習教育の質の向上を目指して継続的に取り組み,これまでに全国的な実態調査に基づいて「効果的な臨地実習のあり方」1,2)を検討し,「臨地実習固有の学習内容と教育的課題」3)や「臨地実習教育における学習効果と課題」4)および「臨地実習指導者の指導に関する検討」5)へと研究を深めてきました.
先に出された「21世紀の命と健康を守る医療人育成に関する報告書(21世紀医学・医療懇談会第1次報告)」6)は,豊かな人間性を基盤に持ち,医療や看護を取り巻く量的・質的変化を確かに受けとめ,国民の多様化したニーズに対応でき,かつ信頼される力を備えた医療人注)の育成を急務としております.そして,臨地実習をもっとも改善を要する課題としてとらえ,学生たちが患者・家族および様々な医療人との関係を通して,内面から生き生きとした学びを得ることができるように,飛躍的に充実すべきことを強調しております.つまり,従来の大学および大学病院という閉鎖的環境での偏った教育環境・教育体制から脱皮して,老人保健施設や福祉施設,在宅などの地域において力量を発揮できる医療人の育成への転換が大いに期待されているわけです.
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