病院のあゆみ
ある精神病院の甦り
岩佐 金次郎
1
1三越診療所
pp.40-44
発行日 1976年9月1日
Published Date 1976/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206007
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精神病院があった.昭和の初めより日本の精神医療に,民間病院としてそれなりの貢献もし,戦後飛躍的発展も遂げた.しかしその発展の裡には不適正な行為も隠され,やがて社会の批判を浴びることになる......数年前,燃え上がった精神病院告発の炎の,それはまぎれもなき的であり,わが国精神医療の歴史と問題点とを余りなく示す,ある意味で一典型である.だがこの病院は,経営管理者交代という思い切った手段で病院の大手術にとりかかり,「新生5周年記念誌」を出すに至った.5周年を祝するためにではなく,社会的責任を全うするために自らの傷をもえぐり出そうとする.安易な批判をはね返す実践の重みがそこにある.
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