映画の時間
―今,甦る 美しくも過酷で 哀しい愛の記憶―「あの日 あの時 愛の記憶」
桜山 豊夫
pp.734
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102540
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ホロコーストについては「アンネの日記」(1959)や「シンドラーのリスト」(1993)でも描かれており,本欄でもご紹介した「アンネの追憶」(2009)では,強制収容所での生活も生々しく描写されていました.今月ご紹介する「あの日 あの時 愛の記憶」もホロコーストを題材としていますが,また違った雰囲気を持った映画です.
1976年のニューヨーク,主人公の女性ハンナ(ダグマー・マンツェル)が,ホームパーティーで使うテーブルクロスを受け取りにクリーニング店に現れる場面から映画は始まります.店のテレビでは,第二次世界大戦中のことを話題にしていました.それを見たハンナは茫然自失となり,急いで家に戻ります.彼女は何故急に家に戻ったのか,観客も理解できないまま,舞台は1944年,第二次世界大戦下のポーランドに移ります.
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