ホスピタル・トピックス 建築
相部屋の大きさ/病院のプレハブ化
伊藤 誠
pp.36,49
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205820
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アメリカの病院における病室に関連して,少々触れておきたいことがある.それは国の基準で病室1室当り最大4床までしか認めなくなったことである.したがって,もはや5床以上の相部屋は見られなくなるだろう.このことは日本ではまだあまり知られていないようであるが,きわめて重大なことだといわねばなるまい.もっと正確に言うと,保健・教育・福祉省(U.S. Department of Health, Education and Welfare)の保健・精神衛生局(Health Services and Mental Health Administration)が国庫補助を受けて建設される病院に対して設けた最低基準(1973年改訂)の中で,1病室の収容ベッド数は4床以下とするようにきめているのである.国庫補助を受けない病院も,おのずとこの線にならうことになろう.
4床だと各患者はそれぞれにみずからのテリトリーをもつことができる.それが6床になると,間に挾まれたベッドには自分のコーナーがない.居住性の点で4床と6床とでは格段の違いがある.これについてはわれわれも早くから指摘し,実際の設計においてもなるべく4床室を基本とすべく心がけてきた.しかし,結果的には,どうしても6床にせざるを得ないことが少なくなかった.面積や予算の制約でどうしても辻褄が合わなかったからである.
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