グラフ
わが国初めての感染症専門病院—都立駒込病院感染症部門をみる
pp.13-19
発行日 1975年11月1日
Published Date 1975/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205741
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医療の高度化が進む中で,病院間の機能分化は必至の形勢であるが,美濃部都政が,都内の8つの都立病院の整備を始めて数年を経た."都立病院を公立病院らしい病院に"という声は,久しく医療側にも行政側にもあった.この"公立病院らしさ"とは,けっきょく第一に不採算医療を担うことであり,第二に一次医療は扱わないこと,つまり一般の医療機関からの紹介患者を原則とする,というものである.都立養育院病院が,すでに老人専門病院として発足して3年を経ようとしているし,都立府中病院は主として身障者,結核,救急医療を担っている.やがて広尾病院や大久保病院などの機能整備も進むだろう.その一環として,この5月,新設医大クラスの規模で,がんおよび感染症の専門病院として,新装オープンしたのが,都立駒込病院である.
都立駒込病院は,14階建の1号館と10階建の2号館がエレベータ・ホールを両側から狭んだ形で建っている.14階の棟が,がん関連部門,10階の棟が感染症関連部門で,専門の違った2つのセンター病院が結びついた形をとっている(写真①がんおよび関連病床600床,感染症および関連病床300床).この2つの機能のうち,特に感染症部門は,わが国初めての感染症専門病院で,建築的,設備的,機能的と,あらゆる面を考慮して対策が施されているので,本グラフでは,特に,この感染症部門について柳下徳雄感染症部長の解説をまとめてみた.
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