病院めぐり
東京都立駒込病院泌尿器科
篠原 充
pp.274
発行日 1999年3月20日
Published Date 1999/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902543
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東京都立駒込病院は,皇居の北側に位置する文京区のそのまた北側の一角に位置している。山の手線の駅としては最北端に位置する田端駅から,南へ向かって10分ほど歩くと急な上り坂となる。これが江戸時代から有名な動坂である。名前のわりには健康な人にとっては"あつ"という間に登りきってしまう坂であるが,雪が降るとチェーンを装着しない車の立ち往生がみられる。この坂を登りきってすぐ右側に14階建ての建物があり,これが当院である。
当院の百年史によると,病院の開設は明治12年(1979年)にコレラの避病院として東京地方衛生会駒込病院の名の下に産声をあげたと記されている。その後,何度かの大きな変遷を経ているが,開院当時は感染症による殉職も多く,先人たちの苦労の数々が記念誌に記されていて,日常診療に追われている身にとっては感動させられることが多い。昭和50年には,社会的ニーズの変化に対応して新しい目標が掲げられ,新病院が開設された。このとき,現在では珍しくはないが,当時としては斬新なトータル・オンライン・コンピュータ・システムが導入され,癌と感染症の高度専門病院として整備された。以来,全職員の努力と尽力により現在の地位を確立してきた。現在では全27科801床,医師数144名の総合病院として,都立病院の基幹となっている。また,新病院設立時には全国から医師が集められ,医師の出身大学の多様さも特徴となっている。
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