特集 AIDSを学ぶ,AIDSに学ぶ
資料/都立駒込病院のAIDS看護基準
桑原 光代
1
,
小海 明子
1
,
沢田 法子
1
,
吉田 純子
1
1東京都立駒込病院
pp.670-673
発行日 1987年7月1日
Published Date 1987/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921760
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はじめに
AIDSは,新しい感染症疾患として発見され,発病後1-3年で大半が死亡するという不治の病である.ハイリスク集団として,輸血,男性同性愛者,麻薬常用者が挙げられている.感染経路として“性”が関与している部分が多いことで情報が氾濫し,特に,守られなければならない患者や家族の人権が侵されるといった事態まで生じてきている.もはやAIDSは医療だけにとどまらず,社会的問題としての様相を呈している.さらに,治療薬,治療方法も確立していないのが現状である.
1985年10月より,当院では,専門外来を設けることになったが,このことによる入院患者数の増加が予想された.入院患者を受け入れるにあたっては,勉強会等を開いて疾病に関する知識の吸収に努めた.しかし,AIDSは未知の病気であり,治療方法もない.感染→発病→死という最悪の事態が頭に浮かび,「感染したらどうしよう」「どのように看護したらよいのだろう」という不安と戸惑いは大きかった.
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