特集 医療事故と病院
医療事故の実例と対策・4
臨床検査
佐藤 乙一
1
1国立立川病院
pp.48-51
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205685
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検査業務と過誤の責任
旧法の『衛生検査技師法』が適用されていた昭和45年以前は,検査技師の間で臨床検査過誤が問題になることはまずなかった.しかし,昭和46年に,改正法の『臨床検査技師,衛生検査技師等に関する法律』が施行されて以来急速に関心が高まり,今や専門の学問や技術研修と同時に,医療過誤に関する研修が各地の検査技師会で積極的に行われている.
血液,尿など,人体から離れた検体の検査は医行為ではないという行政解釈が,大正12年に内務省衛生局長から示されており,昭和23年になってからも厚生省医務局長から同様見解が明らかにされていたこともあって,衛生検査技師には業務独占も業務制限もかけられていなかった.この法律の第一次改正時である昭和45年にも,検体検査の業務制限問題をめぐって議論が沸騰したのであるが,結局解決は次期改正まで持越される結果となったのである.
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