病院と統計 病院労働統計・8
労働時間
宮沢 源治
1
1東京病院協会
pp.10-11
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205675
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労働時間短縮のあゆみ
労働時間問題は,資本主義経済の発展とともに推移し変遷してきている.西欧諸国においては,1760年頃から,労働時間問題が労働者保護の観点から取り上げられているが,わが国においては,明治44年の工場法制定により,1日12時間労働の原則がたてられた.その後大正8年にILO第1回総会で,1日8時間,週48時間の労働時間短縮勧告が採択されてから,わが国においても1日8時間労働が論議されるようになり,大正12年3月の改正工場法で,1日の労働時間が1時間短縮されて11時間となり,そのまま終戦まで長時間労働制が維持されてきた.
終戦によって,労働者保護行政は新しいスタートを切り,昭和22年に労働基準法が制定されて,わが国にはじめて1日8時間,週48時間制の原則が確立された.その後,朝鮮動乱を契機として労働時間短縮問題が論議されるようになり,週休2日制の実施に伴い,年々短縮される傾向を示してきた.
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