変貌する外国の医療・1
崩れゆく業務分担—医師と看護婦のあいだ
今村 栄一
pp.74-75
発行日 1975年1月1日
Published Date 1975/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205527
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日本では,看護業務の範囲というものがいろいろ議論されている.それは‘患者の療養の世話と医師の診療の補助’という「保助看法」の中での議論に終始している.そこから出て看護業務を展開しようという動きがないのではなかろうか.
少し前のことだが,サンフランシスコやロスアンゼルスの病院と衛生局を訪ねたとき,pediatric nurse practitioner (PNP)の活動を知ることができた.これは1966年からあるもので,育児相談,健康指導,予防接種などおもに小児保健面を担当している.しかし鼻かぜ,中耳炎,皮膚病などには薬を与えている.もちろん医師の監督のもとと思うが,看護というよりも診療面へ深くはいってきているようである.一面では日本の保健婦の活動に似ていると思うが,ベッドサイドの看護からとび出していくという点が興味深い.サンフランシスコ総合病院の小児科では,看護職員35名のうちPNPが7名はいっていた.
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