特集 院内感染管理の新しい課題
院内感染の新しい問題点
川名 林治
1
1岩手医科大学・細菌学
pp.22-26
発行日 1974年12月1日
Published Date 1974/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205494
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はじめに
院内感染(hospital infection, hospital acquired in-fection)は古くから知られていたが,近年化学療法の普及に伴い,従来弱毒ないしは常在菌と考えられていた緑膿菌などのグラム陰性桿菌が在来のブドウ球菌などより多くの役割を演ずることとか,ウイルス学の進歩により,ウイルスによる院内感染,とくにHB抗原などが非常に注目されるに従って,院内感染の問題は最近著しい状勢の変化をみた1)−38).従って院内感染管理の方法も,従来とはまったく新しい視点からの配慮と対策が早急にたてられなければならない.
院内感染は,入院中の患者,新生児などにとって重大な問題であるばかりでなく,勤務者への感染など,医学的にも病院管理上も社会的にも,また人道的にも非常に重要である.今こそ,院内感染の発生要因の分析とその真剣な予防対策が,多くの人々の努力を結集して行なわれなければならない.
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