研究と報告【投稿】
巨大病院における院内コミュニケーションの問題点
井上 昌彦
1
1日本大学医学部病院管理学教室
pp.87-89
発行日 1973年12月1日
Published Date 1973/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205194
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コミュニケーションは信頼と協力を生み出す源
最近では,1000床を上回る規模の,巨大といってよい病院が,わが国にもできつつある.このような規模の病院は,欧米,とくにアメリカでは,決してめずらしいことではないだろうが,わが国のように,今までは,300床,500床といった規模の病院が,だいたいにおいて大病院と考えられていた常識からすると,これは,ひとつの変革といえよう.病院機能,とくに,acute general hospitalの機能の拡大に伴って,高度の医療設備と,多くの専門分化した医療スタッフを必要とする基幹病院は,必然的に大規模,集中化の方向に進み,その規模が大きくなってくるのであって,わが国でも,このような規模の病院が誕生することは,当然の傾向であると考えることができる.
このような,大きな規模に成長した病院の管理上の問題点の1つは,いかにして,院内における,職員間・職場間のコミュニケーションを円滑に行なうか,ということである.もともと,病院は,その業務の特性からいって,コミュニケーションの徹底が非常に困難である事情が内在している.
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