特集 空気調和
院内感染,とくに空調の問題
永沢 滋
1
1日本大学医学部病院管理学教室
pp.14-18
発行日 1964年7月1日
Published Date 1964/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202379
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院内感染の意義
院内感染の問題は,すでに内外の文献にも,また国内の学会などにおいても取り上げられ,これを憂慮する識者も多いが,その研究や解決のための努力が病院の一局部,すなわち診療各科によって別個に行なわれているのみで,病院として一貫した予防体制が確立されている例も決して多いとはいえない現状である。
病気の治療にきた患者に,院内感染というよぶんな負担をかけることは,病院の重大な責任であり,特に抗生剤の開発以来耐性菌が出現し,院内で起こる交叉感染の治療が困難になっている事実は軽視することができず,この問題の解明と対策の研究が切に望まれるゆえんである。
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