研究と報告【投稿】
Utilization Committee (病床管理委員会)について
高階 経和
,
淀川キリスト教病院・病床管理委員会
pp.82-86
発行日 1974年11月1日
Published Date 1974/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205489
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
現在,日本の病院が直面している共通の問題点は,老人医療や慢性疾患患者に対する診療や看護の面におけるむずかしさであり,また病院の管理のうえにおける経済的な負担や社会医学的な問題の複雑さであると考えられる.現在の健康保険制度の最大の利点は,患者の立場からすれば,自分が選んだ病院が内容的に設備や医師や看護婦,ケースワーカーやその他のパラメディカルの人たちが協力して働いている優れた病院であれば,それだけ彼らは,よりよい医療を受けることができる.
しかし,保険医療という制度の気安さがいつの間にか病院に対し,医師や看護婦に対して依存性を作り出し,不必要な治療や与薬を行なわせている.そして入院患者の場合には,慢性疾患患者や老人患者などの入院日数の長期化という現象を生み,これらの患者の病床占有率が非常に高くなってきているのが現状である.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.