今日の精神医療・15
岩手の精神医療と精神病院
白石 順吉
1
1岩手保養院
pp.85-90
発行日 1974年3月1日
Published Date 1974/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205309
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岩手の精神医療——過去のあれこれ
岩手の自然は広大である.この地に昭和26年まで私立の岩手保養院がただ1つしかなかった.岩手医学専門学校の付属病院をかねていた保養院には,県下一円の精神障害者だけでなく,旧南部領に属する青森県三八地方や隣の秋田県にわたる広範な地域からも集まっていた.昭和25年精神衛生法が公布されたが,県は当時専門医が得られがたいとの理由で,保養院と隣接して県立静和病院を建ててその運営を保養院に委託した.昭和28年に一関市に県立南光病院が完成.さらに30年代には結核の二戸療養所と大船渡綜合病院とに精神科を併設したし,盛岡と水沢の市立病院にも併設,国は花巻療養所を結核から精神へと転換させた.この前後から県内各所に民間の精神医療機関が次々と誕生していった動機は,他の府県の現象とよく似ている.
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