連載 病院めぐり
岩手県立胆沢病院
丸田 純一
pp.202
発行日 2006年2月10日
Published Date 2006/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100036
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岩手県立胆沢病院は県南平野部の水沢市(平成17年2月より奥州市)にある.昭和11年に農民の組合病院として5診療科で発足し,昭和25年には県立病院に生まれ変わり,平成9年には現在地に新築移転し,平成17年の今は病床数351床,標榜診療科19科,1日の平均外来患者数約1,200人,常勤医師数52名,研修医14名の広域中核病院として発展を続けている.
この病院の際立った特徴は,伝統的に診療各科のつながりがよく,他科からの専門的な応援が得やすいことである.このために,どれほどの事故が回避されているだろうか.また,真っ黒にゴルフ焼けした院長以下,スポーツ好きな職員が多く,クラブ活動が盛んで,職種を超えた交流の場となっている.そうした空気があるためか,全病棟がゆるやかな混合病棟となっており,切迫流産の妊婦さんの隣に胆石のおばあさんがいても不思議ではない.段階的患者ケア方式(progressive patient care)と名づけたシステムで,患者を重症度に合った病棟に移していくのもユニークな点である.
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