グラフ
小型コンピュータがフル回転する病院—宮城県成人病センターを訪ねて
pp.14-18
発行日 1974年3月1日
Published Date 1974/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205289
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抗生物質の開発や公衆衛生の普及によってわが国の疾病構造は結核などの感染症が後退し,癌・高血圧など,いわゆる成人病が大きくクローズアップされ,医療の中心を占めるに至ったが,このような動きの中で,各地に成人病センターを,という声が急速に高まってきたのは昭和36,7年頃である.この波に乗って,宮城県でも東北大,県対癌協会を中心に癌中心の成人病センター設立の構想が38年頃に生まれ,各方面への交渉を経て42年4月,50床のセンターとしてオープンした.
当時すでに胃癌や肺癌などの早期発見・早期治療に実績をあげていた東北大や抗酸菌病研究所の癌専門の医師たちが,10人ほど集って発足したが,患者需要の増大に伴って,現在,病床も200床に,また医師も癌専門の医師の他に循環器,呼吸器,胸部外科等の医師も加わり,23名の専門医がいる.発足当初から癌中心をめざしただけに,現在も入院患者の55%が癌である.患者は関連病院からの紹介や,対癌協会の集検でひっかかった者が多く,胃癌,子宮癌,肺癌など早期の患者も多い.
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