看護管理・10
患者不在の看護管理を廃せ
行天 良雄
1
1NHK放送大学
pp.70-71
発行日 1972年10月1日
Published Date 1972/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204807
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患者なくしての看護管理はありえない
‘看護管理’という見出しを見つめながら,私がいちばん希望するものは何かなと考えてみた・入院の折,いちばん希望したことは,‘呼んだらすぐ来てくれる’ことであった.他の病人は,リハビリの統一した指導であり,あたたかいお茶であり,ベッドの位置であり……と実に多岐であった.考え,指を折ってみると,看護への要望の大きさに,今さらながら驚かされる.
それにしても,この看護という文字は,何とすばらしい日本語だろうと思う.みとる,みまもる,注意深く様子をみる……,まさに,これ以上に看護婦の仕事を,また看護の真髄をついたことばはないと思う.‘十分な技術に裏付けされた思いやり’病院看護婦の皆さんに希望する唯一最大のものは,すべて,この一語につきるようである.
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