医事業務あれこれ事例集・10
松葉杖貸与に伴う取扱い要領
町支 義明
1
1名古屋第一赤十字病院医事課
pp.72-73
発行日 1972年10月1日
Published Date 1972/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204808
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増えてきた松葉杖の破損・紛失
整形外科患者の一部には,傷病の治療過程において,松葉杖を必要とする場合があるため,当院では相当数の松葉杖を購入して備え付け,いつでも医師の証明と,患者の要請さえあれば入院外来をとわず保証金なしの無償で貸与し,患者の便宜をはかってきた.ところが患者のなかには貸与中の松葉杖を故意に折ったり,歩行が思うようにならないからといってヒステリックになり,杖を床にたたきつけて破損させたり,また病状が軽快して松葉杖の必要がなくなったにもかかわらず,返却しない者があったりして,新規購入による補充件数が年々多くなってきた.それに松葉杖そのものの購入価格も高額となり,しかも脚の部分にはめこむゴムキャップの損耗度が激しく,その交換のための費用もばかにならないようになってきた.そのため,物品購入の立場にある調度課と,実際に現物の貸与を行なっている整形外科から,なんとか現在の取り扱いを改正して,せめて損害に対する実費だけでも徴収できるような取り扱い内規を考えてほしい旨の申し入れがあった.
一応事実を調査してみたところ,1年ごとに破損とか,紛失件数がふえており,購入価格も5年前と比べると約2倍になっていることがわかつた.
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