特集 医療法と病院
医師の宿直義務と救急医療
宇山 理雄
1
1京都第二赤十字病院
pp.44-46
発行日 1977年1月1日
Published Date 1977/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206123
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宿直義務の法的根拠
病院に勤務する医師に宿直義務を強制する法的な根拠は見当らないが,医療法第16条は,「医業を行う病院管理者は医師を宿直させなければならない」と定めており,病院管理者はそれぞれ就業規則により職員に宿日直を義務づけている.したがって,医師が病院に就職する際に誓約書に署名捺印した以上は,病院管理者に対して宿直の義務を負うことになる.
病院の宿直医師の業務内容と救急医療の問題は,労働基準法を守る点において大変難しくなってくる.労基法によると,宿直勤務は断続労働の一様態として施行規則第23条にあげられており,常態としてほとんど労働する必要のない勤務のみを認める趣旨で,所轄労働基準監督署長の許可を要件としている.
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