特集 老人医療と病院
老人医療を支えて・1
老人(齢)患者に対するメディカルケースワーク
鵜沢 立枝
1,2
1虎の門病院分院M.S.W室
2立教大学社会学部
pp.52
発行日 1972年4月1日
Published Date 1972/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204627
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- 文献概要
‘老人’とは人間の存在状況を年齢と役割の関係状況から規制し分類した一種のsocial status (社会的身分・地位)である.医療行為は,いかなるsocial statusの患者に対しても人間の一回性を重視し,その患者の性格や歩んできた生活歴,また歩もうとしている方向性を尊重する形で計画・施行されねばならない.メディカルケースワーカーの役割をこの医療行為との関連で考えれば,上記の理念を少しでも多く実現度の高いモノにしうるよう機能することといえる.ケースワーカーがその役割を遂行するためには,人間に関する共通性の知識と個別化の技術とが不可欠である.この共通性とは,人間に関する科学的知識(主に心理学,社会福祉学,精神医学などであるが)によるモノであり,個別化の技術とは,個人たる独自性を尊重することから発するアプローチである.
では,上の‘老人’というsocial statusに属している患者をクライエント対象者としてケースワーカーが迎えた場合,この共通性と個別化のポイントは,どのようにおかれメディカルケースワークとしてのアプローチがなされていくのか,その概略を次に示したい.
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