連載 衛生行政キーワード・38
ドクターヘリ法の成立について
佐々木 孝治
1
1厚生労働省医政局指導課
pp.1034-1036
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101219
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法制化の経緯
ドクターヘリについては,事故・急病や災害等の発生時に,消防機関・医療機関等からの要請に対し,医師等が搭乗して速やかに救急現場に出動することによって,搬送時間の短縮のみならず,救命率の向上や後遺症の軽減に大きな成果を上げることが期待されていた.このため厚生労働省は,2年間の試行期間を経て,平成13年度より「ドクターヘリ導入促進事業」において,ドクターヘリの導入を進めてきた.平成19年10月1日現在,同事業によって計10道県においてドクターヘリが導入されているものの,全国的に整備されるまでには至っていない.
このような現状を踏まえ,平成18年,自民党および公明党の参議院国会議員からなる「与党ドクターヘリワーキングチーム」(座長:木村 仁議員,座長代理:渡辺孝男議員)が設置され,同年7~11月に亘る全10回の会合の結果,「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法案」,いわゆる「ドクヘリ法案」が策定された.これは,ドクターヘリを,地域の実情を踏まえつつ全国的に整備することを目的として明確化し,また,ドクターヘリの有効性を広く知らしめることを狙いとしたものである.
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