病院の広場
はてしなき医療の混迷に寄せて
森 泰樹
pp.17
発行日 1970年9月1日
Published Date 1970/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204065
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民主々義というのが戦後はやってきて,どこもかしこも会議ばやりである,万機公論に決するために会合を開いて,大いに議論を戦わせるのはもちろん結構なことにはちがいないが,そのいくつかのうちには,ずいぶんと意味の少ないものもあって,いうなれば時間の空回りであることが数多く見受けられる.
われわれの属する医学会も同じような傾向で,昔は内科や外科のそれぞれの診療科に1つずつの学会があって,それで事足りていたのだが,学問の進歩はその細分化を招来し,やれ腎臓病学会,やれリウマチ学会などと,1つひとつの疾病に1つずつ学会が生まれてきて,このぶんでゆけば,どれだけふえるかはてしない勢いである.
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