特集 看護教育研究
看護教育研究における混迷と今後の課題―体験的反省から
近田 敬子
1
1京都大学医療技術短期大学部
pp.166-172
発行日 1990年3月25日
Published Date 1990/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900028
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はじめに
看護教育に従事して約17年の歳月を経た.看護教師のみならず看護者として,「研究は義務である」という認識を得たのは,恐らく学生時代の教育であり,さらにその後に機会を得て約3年間の研究所生活を送っており,それらの影響を大きく受けたためだと思われる.そして現在に至るまで,看護に関連した研究活動を持続させてきた要因は,良く言えば「好奇心」の旺盛さであり,悪く言えば熱しやすく飽きっぽく,次々と興味が移り,研究に関する新しいことなら何でも手掛けてみたい,体験してみたい,という性格にあるようだ.
しかし正直なところ,いまだ情熱を傾けられるような,ライフワークとなる研究課題が見出せているとは言い難く,看護教育に従事しているから看護教育に関連した研究に興味を持ち,またいわゆる各論領域で実習指導を含む教育を担当しているから,小児看護領域の研究に着手しているだけなのかもしれない.
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