私と読書
—「動物の親は子をどう育てるか」を読んで—混迷する子育てへの貴重なヒント
須藤 万里子
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1聖母病院産科保健指導室
pp.606-607
発行日 1978年9月25日
Published Date 1978/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205437
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「人の赤ん坊ほど,乳の飲み方が下手なものはない。動物の子のほうがその点では,もっと賢い」とある先生がおっしゃったことがある。この興味深い観察は,現代の育児の盲点を突いている。動物の子育てと人間の子育てはどう違うのか?親と子の絆は人と動物では異なっているのか? 本質的には変わりなく,むしろ言葉や文字を使い文明に浴したヒトのほうが,自然の摂理を歪め,自ら持つ野性の感覚を鈍らせてしまっているのではないか?この本は,現代の親たちが見失いがちな子育ての本質を,数々の動物を通じて優しくユーモラスに教えてくれる。
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