連載 事例と財務から読み解く 地域に根差した中小病院の経営・4
公益財団法人 湯浅報恩会 寿泉堂綜合病院—再開発計画における病院の移転新築
関 悠希
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1独立行政法人福祉医療機構 経営サポートセンター リサーチグループ リサーチチーム
pp.551-555
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210517
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今回は人口33万人を擁する福島県郡山市にある急性期病院,公益財団法人湯浅報恩会 寿泉堂綜合病院(以下,同院)を取り上げる.同院の特徴は,その立地と設置形態にある.新幹線など4つの路線が停車する郡山駅から徒歩5分,24階建てのタワービルの地下1階〜地上11階に同院は入居している.12〜24階は住居エリアだ.昨今,マンションと医療モールとの一体型はよく見られるようになってきたが,急性期病院とマンションの一体型は全国でもまだ珍しい.
マンション一体型の構想は同院の発案であり,その目的の一つには地域の活性化があった.近年CCRC(Continuing Care Retirement Community)やコンパクトシティが話題になる中,駅前のマンション一体型といった形で移転新築を行うことになったきっかけから,地権者との調整などの準備段階を経て,完成までの経緯を時系列で追うことで,病院主導の地域づくりについてヒントを得たい.
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