欧米病院偏見旅行記・4
「聖域」英国に入る
K
pp.16
発行日 1968年4月1日
Published Date 1968/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203317
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明日の空港と呼ばれるアムステルダムのスキポール空港から1時間たらずで,ロンドン郊外のヒースロー空港につく。入国検査に時間がかかり,税関のきびしかったのはに羽田,ロンドン,モントリオール(アメリカの出張検査)の順であった。いやそれは規律正しさと見るべきであって,他の国がいい加減だとの見方もあろうが,何か尊大さを感じさせないわけにはいかない。
さて英国はわが国の病院管理を研究するものにとって,一種の「聖域」ともいえる国である。米国とならんで病院管理にかんする研究が最も行なわれていること,近代病院医療を支える看護の大本山ナイティンゲールの出身地であることなどが原因であろうが,新興国,成り上り者米国にケチをつけたがる心理に大英帝国のもつ歴史の重みがピッタリするのかもしれない。メイド・イン・イングランドは紳士のもちものの象徴であり,しかも日英同盟の盟邦だったではないか。神聖にして批判はタブー的ムードが少なからずある。
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