研究と報告【投稿】
大学病院における看護業務の特殊性
金子 光
1
,
林 滋子
1
,
木下 安子
1
,
兼松 百合子
1
,
矢野 正子
1
1東京大学医学部保健学科看護学講座
pp.73-78
発行日 1967年12月1日
Published Date 1967/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203251
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医学の教育研究機関としての任務と診療機関としての任務を併有する大学病院の看護業務の特殊性を見い出すための第一段階の研究として,特定の大学病院と一般病院においてワークサンプリング法により看護業務内容を調査した。その結果,各病院間にあらわれた差の多くは,各病院の特殊な条件によりより大きく影響を受けたものとみられたが,以下にあげる点は,大学病院の看護業務の特殊性ともみられ,今後の研究でさらに明確にすべき点であると考えられる。それらは,①大学病院では,患者の身の回りの世話に関する業務の割合が一般病院に比べて少ない(内科病棟の場合)。②大学病院では検査業務の占める割合の日別差がいちじるしい。そしてこれが他の看護業務に影響をおよぼしているとみられる。検査業務の少ない日に,管理,指導業務が多いという偏りがある(内科病棟の場合)。③大学病院では,検査処置を医師が単独で行なう場合には,看護婦の行なう業務の割合が低い(外科病棟の場合)。④大学病院では医師と協力して行なう業務の割合が一般病院に比べて多い(内科,外科病棟とも)。
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