研究
大学病院における看護業務の特殊性
金子 光
1
,
林 滋子
1
,
木下 安子
1
,
矢野 正子
1
,
兼松 百合子
2
1東京大学医学部保健学科看護学教室
2現:岩手県立盛岡高等看護学院
pp.80-95
発行日 1968年1月25日
Published Date 1968/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200096
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緒 論
大学医学部(あるいは医科大学)に付属し,医学部のなかの一部門である大学病院は,臨床医学の教育研究機関として学生および卒業後の医師の教育研究の場を提供し,その発展向上を図る責任をもつとともに,診療機関としての使命をもっている1)〜5)。したがって,大学病院は,診療機関としての一般病院とは著しく異なっている。医学生のほか教授のもとに多数の医師が集まっている。昭和37年国立大学医学部歯学部付属病院等実態調査報告によると,大学病院の診療要員は教授・助教授・講師・助手などの国の要員が26.1%,研究生・大学院学生・実地修練生などの国以外の要員が73.9%を占め,大学病院における研究・診療体制は一般病院とは著しく異なっているという5)。大学病院における診療はすべて教育・研究と直結しており,病院は前述のように医学部の機構の一部として存在している。このような大学病院において,教育・研究・診療という三つの責任,使命を果たすためには,その運営管理は複雑であり,幾多の問題をかかえている現状である3),4)。
このような背景をもつ大学病院において患者によりよい看護サービスを与え,看護業務を適切に行なっていくためには,その看護管理においても一般病院とは異なった種々の問題がある。
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